モーターヘッドバンガーズの日記

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モーターヘッド『アナザー・パーフェクト・デイ』



 今日6月4日はモーターヘッドの6枚目のスタジオアルバム『Another Perfect Day』が1982年にリリースされた日。

 メンバーは、レミー(vo&b)、ブライアン・ロバートソン(g)、フィル・テイラー(ds)の3人。前任のギタリストであるファスト・エディ・クラークが1982年5月に脱退、それから間もなくして、元シンリジィのブライアンが加入した。同年6月にはこのメンバーで初来日を果たした。

いかれたロックンロールバンドへの帰還
 本作は過小評価されがちだが、それまでのモーターヘッドと変わらない「スピード/アグレッシヴ/哀愁」が詰まっている。1曲目の「Back at the Funny Farm」からテンションが高く、レミーの意気込みを感じる。ちなみに、この「funny farm」とは精神科病院の意味だが、筆者なりに解釈すると、バンドからエディが脱退したけど、俺は「いかれたロックンロールバンドに戻ってきたぜ」というレミーのメッセージが込められているのだろう。

サウンド
 ギタリストのブライアンが新加入したことで、それまでのモーターヘッドには見られなかったアルペジオや空間系のエフェクトを施したギターサウンドを聴くことができる。とりわけ、「Dancing on Your Grave」、「One Track Mind」、「I Got Mine」はブライアンの個性が色濃く反映されている。
 リリース当時、ブライアンのギターサウンドについて、否定的な意見が多かったというが、その後再評価された。また、ブライアンのルックスはバンドのイメージに合わず、ファンから不評を買った。詳しくはレミー自伝を参照。

 その一方で、レミーのベースサウンドはモーターヘッドのスタジオアルバムの中でも、もっとも破壊的で力強いサウンドとなっている。歪んでいるが音の張りや輪郭がはっきりとしていて、ゴリゴリとした独特のアグレッシヴさが感じられる。それはまるでレミーの強靭な精神力や荒々しさがリッケンバッカーとマーシャルを通して、そのサウンドに表れているようだ。とりわけ、「Shine」や「Rock It」のベースサウンドは鬼気迫るものがある。
 また、アレンジ面での新たな試みがいくつか見受けられ、緩急をつけたリズムで、バックの演奏がレミーのボーカルをしっかりと立たせている。それまでのモーターヘッドサウンドを踏まえながらも新たなアプローチで作られたアルバムだ。

モーターヘッド 『アナザー・パーフェクト・デイ』

アートワーク
 アルバムアートワークは、ジョー・ペタグノによるもので、ウォーピッグが渦を巻き、カオスが表現されているという。
 渦は右回りの場合、創造、進化、成長を表し、左回りの場合は破壊、退化、死、減退を表す。このアートワークを見てみると、渦は右回りにも左回りにも見え、まさに混沌としている。
 ウォーピッグの舌はふたつに裂けていて、それはヘビの舌と関連する。ヘビには善と悪の両方のイメージがあるがこれは明らかに邪悪だ。ヘビはサタンの化身とされ、その舌は非道徳な誘惑と結び付けられている。本作の邦題は『悪魔の化身』だったが、まさにぴったりのタイトルだ。
 男性器のようにも見える舌がふたつに裂け、「台風の目」のように荒々しく渦を巻く図は、モーターヘッドのサウンドのように破壊的かつダイナミックで危険な匂いがする。裏ジャケには、ウォーピッグと化したレミー、ブライアン、フィルの顔がとぐろを巻いた状態で描かれた。マグマのような渦で、熱く激しく、うねるようなエネルギーが感じられる。

 本作のリリースに伴うツアーの後、1983年11月にブライアンがバンドから脱退したため、このメンバーによるアルバムはこれが最初で最後となった。そのため、今なおファンの間では特徴的な1枚として、根強い人気を誇っている

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4 Comments

Shu  

Re: タイトルなし

■4001 JET GLOさん
返信ありがとうございます。
「Back at the Funny Farm」のベースイントロ、シビレますよね。アルバムについてはロボの影響がよく語られますが、「Shine」、「Rock It」、「Tales of glory」など、ドライブ感の面でも期待を裏切りません。フィルシーのマシンガンのようなタム回しも印象深いです。
知人から聞いた話だと、初来日の際、ロボは「Bomber」のイントロが弾けず、2-3回やり直したそうです。

ライブ動画拝見しました。
赤城山、走り屋の聖地ですね。やはりドライブの時はモーターヘッドでしょうか。
今後もよろしくお願いします。

2017/06/10 (Sat) 01:43 | EDIT | REPLY |   

4001 JET GLO  

ご丁寧にご返信有り難うございます。

Ace of Spadesと甲乙つけ難い位、Back at the Funny Farmのレミーのベースイントロにも痺れ、自分も自作自演でロックンロール演ろうと、ベースボーカル始める切っ掛けになりました。

自伝にありますロボの奇行?は惜しいなぁ…ですが、ロボのギター哀愁面も含め、本当に思い入れ深いアルバムです。

私事ですがその後、ギターボーカルとベース兼任なりながらも、83年以来未だ年甲斐なく、ライフワークとしてロックンロールに挑戦できる幸せも、レミー将軍によって与えられた、掛け替えのないものだと思っています。
http://m.youtube.com/watch?v=wkpYUTWYagw&itct=CAsQpDAYCyITCIOG9tnor9QCFUwzWAodYdQCdlIP44Kk44OO44OB44Ks44Kx&client=mv-google&hl=ja&gl=JP

稚拙ではありますが、北関東で、an-go 安吾と言うハードなロックバントで活動しています。

宜しかったら以後お見知りおきを。

これからもこのブログ、楽しみに拝読させ続けていただきます。

長々と失礼しました。

2017/06/09 (Fri) 13:07 | EDIT | REPLY |   

Shu  

Another Perfect Day

■4001 JET GLO さん
こんにちわ。はじめまして。書き込みありがとうございます。
このアルバムについて、レミーは自伝の中で「ギターソロが長すぎることを除けば、秀作だ」と語っています。
当時の流れで考えれば、賛否両論が起きたことはわかりますが、今改めて聞くと素晴らしいですね。暴走と哀愁が融合していて、それまでのモーターヘッドサウンドを汲みつつ、新たなスタイルが確立されています。アートワークも最高ですね。

2017/06/08 (Thu) 20:58 | EDIT | REPLY |   

4001 JET GLO  

はじめまして。
自分もこのアルバムが、モーターヘッド・リアルタイム初体験だったので、ずっと好きだったけど、否定的な意見が多く、いつしか沈黙していました。

このブログを読んで、これからは胸を張って、堂々とこのアルバムが好きだ!と言えそうです。

良い切っ掛けを与えて下さり、本当に有り難うございました。

2017/06/08 (Thu) 11:03 | EDIT | REPLY |   

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Category: モーターヘッド