モーターヘッドバンガーズの日記

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ジューダス・プリースト「The Ripper」:メタルのパイオニアソング

今日8月31日は、1888年にイギリスで連続発生した猟奇殺人事件、通称「切り裂きジャック」による最初の事件が起きた日だ。

ジューダス・プリーストの「The Ripper」(アルバム『運命の翼』収録、1976)は、この事件をテーマとしており、メタルの典型的なパターンがいくつか含まれている。

サウンド:ロンドンの闇夜から忍び寄る暗い影
メタルのオリジネーターとしてブラックサバスがよく挙げられるが、彼らはヘヴィという文脈で語られることが多い。
それに対して、この曲はツインギターによるハモリ、ボーカルのシャウトという、それ以降のメタルサウンドにおける典型が取り込まれた。

イントロのギターによるショッキングなメロディは、おぞましい事件の発生を知らせ、得体の知れないものと対峙した時のような緊張感をもたらす。
被害女性の悲鳴を連想させるシャウト、危険を警告するような語りのボーカルは恐怖感を盛り上げる。
間奏のギターリフからは切り裂きジャックがどこかに潜んでいるような恐ろしさが伝わってくる。
また、所々に効果音のようなギターサウンドが取り入れられ、暗闇と霧に包まれたロンドンの路地裏や切り裂きジャックの不気味な雰囲気が絶妙に表現されている。

シリアルキラーというテーマ
今日のメタルシーンでは猟奇殺人犯がテーマのひとつとされることがあるが、これはその先駆けで、「切り裂きジャック」が取り上げられた。その不気味なイメージをメタルサウンドで演出し、背筋がゾッとするような恐怖を想起させる表現は、おどろおどろしさを特徴とするブラックサバスの恐怖感とは明らかに異なる。

切り裂きジャックから切り裂きエディへ
このシャウトボーカルやツインギター、切り裂きジャックや猟奇的事件といった要素は、その後のNWOBHMでアイアンメイデンに引き継がれた。彼らは事件の起きたイーストエンドの出身で、アルバムジャケットには彼らのマスコットキャラクターであるエディが、イーストエンドの闇夜に現れた切り裂きジャックのイメージで登場した。

ジューダス・プリーストの「The Ripper」は、NWOBHMにつながる流れを生み出したのである。すなわち、メタルのパイオニアソングのひとつと言えるだろう。

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Category: メタル