【Motörhead】レミー遺作の『Bad Magic』から1年
モーターヘッドのアルバム『Bad Magic』が昨年8月28日にリリースされてから1年が経った。
結果的にこのアルバムがレミー・キルミスターの遺作となった。
『Bad Magic』はモーターヘッドが近年リリースしたアルバムの中でも特に秀逸で、彼ららしいドライブ感と音の厚みに圧倒される。
69歳のレミーがまだまだ現役でやれること、誰よりもエネルギッシュであることをアピールするものだった。
特に、1曲目「Victory Or Die」から2曲目「Thunder & Lightning」への流れが強烈で、有無を言わさずフルスピードで突っ込んでいく。隙のない展開はリスナーに休む間を与えず、CDを再生するや否やレミーの勝利を確信するサウンドだ。
その次の「Fire Storm Hotel」でのテンポチェンジ、レミーの「バーン!」という掛け声から始まるフィルの燃えるようなギターソロ、グルーヴィな「Shoot Out All of Your Lights」、ミッキーのドラミングはいつだって完璧だ。
他方で、リリースからわずか1年でアルバムに対する捉え方がだいぶ変わってしまった。
今となってはオープニングの「ヴィクトリーオアダイッ!」というレミーの声を聴いただけで、CDを停止したくなるような悲しさを覚える・・・。
また、バラード曲「Till The End」について、レミーは自分自身のことではないと語っていたが、それは「死ぬまで」という意味で、彼の覚悟が感じ取れる。
しかしながら、ファンがすべきことは、彼の死を悲しむのではなく、彼の人生や作品を称えることだ。そのひとつはアルバムを聴くことである。ジークレミー!ジークモーターヘッド!