モーターヘッドバンガーズの日記

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モーターヘッド、『サクリファイス』から20年:モーターヘッド流ヘヴィネス

モーターヘッドが、1995年に発表したアルバム『サクリファイス』(Sacrifice)。
そのリリースから20年が経過した。

モーターヘッド 『サクリファイス』

サウンド―モーターヘッド流ヘヴィネス
本作は、モーターヘッドにとって通算12枚目のスタジオアルバム。
93年にリリースされた前作『バスターズ』のテンションを受け継いだサウンドで、90年代のモーターヘッドを代表するアルバムと言えるだろう。

怒りの渦のようなリフ、激しいリズム、低音を強調したサウンドが印象的で、轟音感が前面に押し出されている。
特に表題曲「サクリファイス」でのドラミングは凄まじく、地響きを立てて戦車が通るようなサウンドだ。

ドロップDチューニングの楽曲も多く、ヘヴィでダークな雰囲気があり、モーターヘッド流ヘヴィネスが表現されている。
3分前後のファストな楽曲が並び、全11曲でトータル36分。
スピード感や轟音感、90年代のモーターヘッドらしさを存分に感じることができるアルバムだ。

メタルサウンドは大きく分けて2つのタイプがある。一つは各パートがクリアでバランスよく聴こえるが迫力に欠けるもの。もう一つは各パートのバランスは悪いがサウンド全体が塊(轟音)となって、リスナーに襲い掛かるような迫力あるもの。本作は明らかに後者だ。

ライブでは、「サクリファイス」、「セックス&デス」、「オーヴァー・ユア・ショルダー」がプレイされ、「サクリファイス」においては、ドラムソロも組み込まれ、ミッキーのドラミングに注目が集まる。
レミーは、この曲をライブで演奏する際、「とても速い曲だ。この曲に合わせてダンスしない方がいい、足が折れるぜ」と紹介している。



アートワーク―生贄の深紅色
モーターヘッドのアルバムアートワークはどれも秀逸なことで知られているが、中でも本作のインパクトは強烈だ。
大量の兵士、戦闘、死傷者、軍の行進、墓地といった地獄絵図のような背景に、怒りに満ちた表情のウォーピッグが舌(性器)を出し、アートワーク全体を燃えるような深紅色が包み込む。マグマのような怒りが感じられ、それはアルバムのサウンドに通じる。

赤という色は、血、火、戦争、犯罪、復讐、怒りを表し、火はキリスト教における地獄を意味し、破壊と再生を表す。これは生贄の血や火炙りの儀式(sacrifice)を連想させる。

そもそも、sacrificeとは、生贄や供え物を意味し、祭における生贄を表す。それは破壊なくしては想像も再生もないという考えから、生贄の死(破壊)によって、天地が創造されるとされたことに由来するという。

このアートワ-クは、戦争や死という破壊行為を描きながら、人の心の奥底にあるものを映し出しているかのようだ。
あるいは、モーターヘッドのために心血を捧げること(sacrifice)を表しているのかもしれない。

バンドの転換点、結成20年目の再スタート
本作は、バンドにとっても転換点となった。
レコーディング時は、レミー(b&vo)/ワーゼル(g)/フィル(g)/ミッキー(ds)の4人編成だったが、アルバム完成後にワーゼルが脱退し、11年ぶりにトリオ編成となった。
その後、彼らは原点に立ち返り、モーターヘッドらしいパフォーマンスを展開し、現在も同じメンバーで活動している。
また、レミー50歳、バンド結成20周年という節目の年にリリースされたことも、大きな話題となった。

本作は、リリースから20年が経過するが、そのサウンドは色褪せることなく、モーターヘッッド流ヘヴィネスを聴くことができるアルバムだ。

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