モーターヘッドバンガーズの日記

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レミー自伝を読む:レミーの誠実さ

ロフトブックスより好評発売中の『レミー・キルミスター自伝/ホワイト・ライン・フィーヴァー』。
本書では、レミーの過激な面が目立つが、読み進めていくと、彼の誠実さや優しさも浮かび上がってくる。

レミー自伝

男性中心主義のなかで女性バンドを支援
興味深い記述のひとつとして、ガールスクールとのエピソードがある。
今でこそ、「ガールズバンド」や「嬢メタル」といったサブジャンルが確立されているが、従来のハードロックやヘヴィメタル・シーンにおいて、女性はバンドから排除されることが多かった。というのも、メタルは男性性や力強さをテーマとしているため、男性主義とも言われていたからだ。特に70、80、90年代は、その傾向が顕著で、女性バンドというだけで差別されることもあったという。

そのようなシーンにおいて、1979年、レミーは、女性バンドのガールスクールを前座に起用した。
当初、彼女たちに対して、ブーイングが飛ぶこともあったが、次第にファンにも受け入れられた。レミーは、彼女たちについて、素晴らしいバンドというだけでなく、(ブーイングを跳ね返す)根性があった、と本書の中で述べている。

レミーは、外見や性別といった身体的特徴ではなく、彼女たちのミュージシャンとしての才能や人間性を見ていたのである。
その後もレミーは、女性ミュージシャンをたびたびサポートしているが、それらの活動は、話題性を狙ったコマーシャルや企画ではなく、彼自身のピュアな行動だ。

男女平等のメタルヒーロー
本書にもあるように、レミーは、女性をテーマにした楽曲を歌っていたため、フェミニストたちから批判されることもあったが、女性を軽視してはいない。
むしろ、彼は女性がヘヴィメタル・シーンに進出するためのサポートをしてきたと言える。彼には、「女だからロックできない」という感覚はない。男女平等の視点を持ったミュージシャンだ。




自由で平等な仲間意識
レミーは、国籍や人種、言語(英語が分からない人)を問わず、どんな相手にも誠実に接する。
本書のなかでも述べられているように、人種差別的な意識が根強く 残っていた時代に、彼は黒人女性と交際していたこともあった。
また、ファンとのコミニュケーションについても、自伝のなかで語られている。
彼は、ファンのサインにも対応し、何気ない話にも耳を傾ける。
若いバンドのサポートも積極的に行い、スタッフに対しても平等に接し、クルーとは家族意識を共有している。自分が有名ミュージシャンであるという傲りはなく、誰とでも分け隔てなく接する。相手の職業や容姿などで自分の態度を変えるようなことはしない。

英ウェールズのなかで、たったひとりのイングランド人
このような彼の価値観は、幼少期の出来事が影響しているのかもしれない。
本書にも書かれているように、レミーはイングランドで生まれたが、10歳の時、北ウェールズのアングルジー島に移り住んだ。当時、一部のウェールズ人の間では、イングランドに対する偏見が強く、彼は小学校で、一部の生徒からいじめを受けた。そのような弱い立場を経験したからこそ、相手を思いやることができるのではないだろうか。

レミーは、過剰なまでにラウドなサウンドや過激な発言を繰り返し、社会的混乱をしばしば引き起こすので、一部の人からはトラブルメーカーと見なされることもあるが、決してそれだけではない。レミーは誠実な人間だ。彼は、相手を思いやる心を持った紳士であり、男女平等の視点と自由で平等な仲間意識でファンに接してきた。レミーが、われわれのヒーローである理由はここにある。


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(2015/04/08)
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