モーターヘッドバンガーズの日記

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モーターヘッドの「キルド・バイ・デス」を読む: レミーの意思表明

モーターヘッドの代表曲のひとつ、「キルド・バイ・デス」(アルバム『ノー・リモース』収録、1984)。

「キルド・バイ・デス」(Killed By Death、死によって殺された)という分かりづらいタイトルだが、どのようなことが歌われているのだろうか。
この曲の歌詞では、バンドのフロントマンであるレミー・キルミスターのライフスタイルや意思表明が歌われている、と考えることができる。



ロマンティックな冒険
まず、Aメロに出てくる、‘I'm a romantic adventure’(俺はロマンティックな冒険)というフレーズに注視したい。
イギリス文学には、「adventure」と名の付くものが多く、それらは冒険心を表す。
adventureとは、社会からの逸脱を意味し、ある種の悪でもある。

そのような逸脱行為は、非現実的な夢で、ユートピア願望とも言えるので、「romantic」と強調しているのだろう。
レミーが書く歌詞は、「既成社会からの脱出や逸脱」をテーマとすることが多く、そのような生き方は、自由を求める冒険心を表している。

『極悪レミー』@渋谷シアターN

イージーではなく、ハードであり続ける
次に、サビを見てみよう。

  But it don't make no difference
  ‘cos I ain't gonna be, easy, easy
  the only time I'm gonna be easy's when I'm
  Killed by death
  だけど、(俺がどんな人物であろうと)大した違いはない
  なぜなら、俺は楽に生きていないから
  俺が楽になれるのは
  死によって殺された時だけ

「イージーになるのは死ぬ時だけだ」ということは、
裏を返せば、生きている間はハードであり続けるということだ。
これは「死ぬまで徹底的にやってやる」というレミーの意思表明と読める。

言い換えると、
「死というものには敵わないが、それ以外の困難は乗り越えてやる、
俺が落ち着くのは死んだ時だけで、それまではハードに生き続ける」、
ということだろう。

No Remorse

ライフスタイルがテーマ
「死によって殺された」というタイトルだが、恐怖や不安をテーマにしているのではなく、
死ぬまでどのように生きるかを主張しているのだ。

このように、「キルド・バイ・デス」には、ハードに生きる姿勢が描き出されており、それはレミーの意思表明と理解することができる。
サビで歌われているように、彼が落ち着くのは死ぬ時であり、それまで冒険(挑戦)し続けるに違いない。

モーターヘッド再出発の狼煙
アルバム『ノー・リモース』がリリースされた1984年、バンドはレミー以外のメンバーを総入れ替えするという大幅なメンバーチェンジを行い、ツインギターの4人編成となった。
そのメンバーで録音された「キルド・バイ・デス」はアルバムからシングルカットされ、モーターヘッド再出発の狼煙が上げられたのだった。
この曲がそのような時期に制作されたことを考えれば、レミーがここで意思表明を歌ったと考えても不自然ではないだろう。


「キルド・バイ・デス」がファンから支持を受け、バンドの代表曲となっている理由は、レミーのライフスタイル徹底宣言だからだ。
多くのファンは、バンドのサウンドだけでなく、彼のライフスタイルに憧れや共感を抱いている。

モーターヘッドは、やかましくて激しいロックと言われているが、サウンド面からのみで捉えることのできないレミーのライフスタイルが強く表れているバンドなのである。

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